何者かになりたい。今の自分ではない何者かに。なれるはずだと思う。役割を与えられればそれになりきることはできると思う。どうしてもそう思ってしまう。期待を捨てられない。チャンスはいつでもここではないどこかに逃げていく。

入学式のような行事が、いろいろな学校で同時に行われたようだ。若い学生たちや、正装した親子連れの列がわさわさと群れのように歩道を埋めているのを脇にみながら、一抹の寂しさのようなものを感じた。自分にはそういう人生はなかったのかなと思う。振り返…