新年度

入学式のような行事が、いろいろな学校で同時に行われたようだ。若い学生たちや、正装した親子連れの列がわさわさと群れのように歩道を埋めているのを脇にみながら、一抹の寂しさのようなものを感じた。自分にはそういう人生はなかったのかなと思う。振り返ってみても、チャンスのようなものはほとんどなかった。そこには身軽さ、ある種の気楽さがある反面、寂しさのようなものももちろんある。しかしそれでいいのだろう。自分で選んで歩いてきた迷路なのだから。