不安なことが多いから、前もって悲しんでおけば許されるとでもいうかのように、何もない時に心配事ばかりして、かといって臨場感がないから何も解決しようともできず、ただただ悲しんでばかりいた。でも、いざ何かが起こった時に、何もできない気がする。心の準備を整えてきていたわけではなく、ただ、不安から逃れようとその場その場をそのばしのぎしてきていただけだから。
進学のために必要なことやビジネスのために必要なことだけを考えてきた人たちが、いざ肉親が無くなった時に、いままで必要なこと以外何も考えてこなかったためにおかしくなってしまうことがあるという。でも、進学やビジネスのために努力してこなかった人が、その分だけ肉親の死に向き合う準備ができているのかというと、それはまったく別の問題ではないか。そういう気がする。進学にもビジネスにも向き合わずに、娯楽やゲームに向き合ってきていた、刹那的な快楽にのみ向き合ってきていたということも、あり得るのだから。