通勤ラッシュは昔ほどないのだろうか、電車の中はそれほど混んでいなかった。乗っている白いワイシャツの会社員も靴が足袋のように親指と他の指が分かれているタイプだったりラフな服装だった。清潔な人ばかりではあった。
古いものを使っている人はあまりいない。
風景などにはあまり注意が向かなかった。立っていたら風景を見たかもしれないが座っていた。
新宿駅の出口も一時期ほど賑を感じなかった。外人さんはいた。カラフルな髪の若者はいなかった。駅の側の飲食店が入っていたビルが前回に引き続き取り壊されていた。
採血は右腕からだった。不安は小さくなっていた。メンタルが安定してきたのだろう。針が刺さるところをみれた。今までは目を背けるようにしていた。これでもう再採血の繰り返しは終わるかなと思いながら採れていく血液を眺めた。