欠点を補える個性が評価されなくなっていく

アスペルガーとかサヴァン症候群とかオタク気質な人達の持っている特殊な個性、例えば電車の時刻表を暗唱できたり一度見ただけの風景を写真のようにスケッチできたり創造力を発揮したりする個性が、今、生成AIによってどんどんコモディティ化されている。クリエイティビティが特殊な能力ではなく誰でも簡単に真似できるものになってきた。

そうすると、人格に欠点があっても、それを補ってあまりある個性で社会に居場所を与えられてきたアスペルガーとかサヴァン症候群とかオタク気質の人達が、個性があるから大目に見られて許容されてきた、元々の欠点、社会性のなさ、コミュ力の低さが欠点を補って余りある個性をもはや個性と認めてもらえなくなることで世の中に単に許容されにくくなり、異才や鬼才と呼ばれて周りに異常性をなんとかガマンしてもらえていた人達が、ただの単なる社会不適合と再評価されて社会の外側へ戻っていくことになるかもしれない。

社会不適合とみなされうる人間でも、個性を活かして生きていける道がこれまではあると思えていたのだが、それは生成AIに取って代わられるからである。

今後はまた社会に適応できる普通の一般人だけが活躍する世の中にもどっていくのだろう。なんとなくそんな予感はしていた。