酒とギャンブルに溺れていた。酒は、日常のつまらなさからの逃避だった。ギャンブルは自分の負け組人生からの逃避だった。
ギャンブルとここで言っているのは、株式投資のことだ。自分は出世競争にはのれないし、年収も人より低い。でも株式投資では人生の一発逆転がいつでもあり得るはずだと考えていたことがあった。そして株式投資には定年退職というものがないからそこで稼げるスキルを身に着ければ生涯稼いで食っていけるということを意味するはずだと考えていたことがあった。
酒は私の健康を蝕み、ギャンブルは私の収入をどんどん蝕んでいった。けれども蝕まれれば蝕まれるほど、私は悪化した状況から逃避するためにますますそれらにのめり込んでいった。
このコロナ渦の4年間というのは、まさにそういう逃避によって自分が蝕まれていく4年間だったように思える。日常のつまらなさを解決するための行動をしなかった4年間。人生の負け組から脱するための努力をしなかった4年間。そんな気がする。