確かに、解雇されず引き止めてもらって、年収が半分の状態で食いつなげるようにしてもらえた。
けれど一方では、もらえるはずだった傷病手当金が不支給とされて無給だった時期もあった。不服申し立てを厚生労働省に行うよう言われた。
あそこで泣き寝入りしていた可能性もあった。
そんなことができるような精神状態でなかった。
けれども、必死に書類に記入して、何度も電話して、理解してもらった。それまでの不支給が不当だったと認められて、支給してもらえた。よかったと思う。けれども、逆に、どうして幻聴が聞こえる状態になっていた自分に、傷病手当金を支給しなくていいという不当な決定を下してきたのかは、今でも不信感を感じてしまう。
確かに会社には恩があった。返しきれない恩だと思う。だから、不服申し立てなどせずに受け入れなければならないと思う可能性もあった。けれど客観的には、それは不当だと認められた。恩があるから不当なことをされても仕方ないということには、ならない。でもそう思う自分は、いわゆるモンスター社員のように見られているのかもしれない。
まさにそういう厄介な社員に、もう抵抗できなくさせる。そういう強い意図を、解雇規制緩和の風潮から感じてしまう。