自分が何かにこだわればこだわるほど

 何かへのこだわりに執着すればするほど、それにこだわらない人の自由さから疎外されてしまう。

 人が偏狭な偏執狂になっていくのは、そういうなれの果てなのだと思う。ルールがいつ変わっても、変わらず適応できるような基本的な強さがある人が最も強い。何かに特化して全振りしている人は、それが当たっている間だけしか生きていけない人になる。だからこそ日本のかつてのメンバーシップ型雇用制度は、変化の時代において日本を高度に成長させる原動力になったのだろう。総合職的な人材を、さまざまな部署を移動させながら育てるという長期的な人材育成の仕組みが、つぶしの利くオールマイティに強い万能の人材を育ててきたのである。