誰かのことを好きになるという事

 誰かのことを好きになるという事は、ある程度、限定的な人間関係の中で限りある選択肢として異性である誰かを含んだ小集団の中に属している自分という存在に気がつくことからはじまる。

 大勢の異性の中にいるということではないし、異性がいない状況にいるというのでもなく、数少ない異性がいる集団の中に自分がかかわるということからはじまる。

 そうでない状況で、無限に近い選択肢の中から異性を選ぶという状況にさらされれば、結局のところ、その相手を選ぶ理由というものが常に迷いや後悔にさらされ、永遠に不満から逃れられなくなる。