私は、嫌われるために露悪的に振舞っているだけで、根は善人なのだと思っていた。けれど、こんなに長く付き合いのある相手に、警察を呼ばれた以上は、もう自分は本当に悪人なのだと言う風に自分を見つめなおす必要があるのだろう。
自分は、そこまでしなければならないほど、悪意に満ちた邪悪な悪人なのだ。
そうでなければ、両親や会社にまで連絡がいくような激しい仕打ちなどあえてするとは思えない。それほどまでにひどいことを、私は相手にしたということなのだ。しかしそれは本当にそうなのだろうか。私には罰せられるような悪意があったということなのだろうか。凶悪犯罪者として、監視しなければならないような人間だとみなされてもしかたない怖い人物だったのだろうか。強いショックで、無力感しか感じない。
