両親にはもちろん感謝している

 両親にはもちろん感謝している。

 なんども命を救ってもらったし、とても甘やかして育ててもらって、自由な人生を送らせてもらっている。

 でもなんだろう。ずっと幼いころから、うちは何かが変わっているなという感じはしていた。

 大人になって、まともな社会人として、盆と正月には実家に帰ろうと思っていた。でもいつも、なにかしんどいのだった。

 その気持ちは、私だけのものではなく、両親もまた、私が帰ってくることにしんどさを感じていたのかもしれないという気がして、つらい気持ちを感じる。

 両親はわたしが変わっているなと思っていると思う。41歳にもなって結婚もせず子供もいない、孫の顔をみせもしないのだからおかしいと思っているだろう。

 カエルの子はカエルで、お互いにおかしいのだと思う。そんな私が人並みの幸せを夢見る競争にのって、うまくいくはずもないのだった。