確かに私は厄年だけれど

それにしてもすさまじい一年のはじまりだった。

みそかに紅白をシラフで見て翌朝に新幹線で帰省していたのだけれど、地元で初詣をしてひまつぶしにケータイをいじっていたら震度7地震が起こったのだ。父も母も避難しようとせずあくまでも家を守ろうとしていた。揺れはなんどもなんども執拗に繰り返され、そのたびに緊急地震速報がなり、ラジオのアナウンサーは今すぐ逃げてくださいと絶叫していた。私は目の前の現実がかなり切迫したものなのかどうかわかりかねていた。近所の住民は車でどこかへ移動を開始していくのもみた。高台へ避難するのだろうと思った。ぼくたちもそうすべきだった。一体、今日来たばかりの自分に父と母をどう説得できたのだろう。そうでなくても、僕たちはいつもすれちがってばかりいるというのに。