2022年の10月の末に、私は302号室あたりから聞こえる英語での騒音が気になり始めて、302号室の郵便受けに英語での注意文書のようなものを投函した。
2022年の頭からPCを替え、ヘッドセットでAPEXにのめりこんでいた時期でもあり、聴覚が興奮状態になって、騒音に敏感になっていたのかもしれない。
その注意文書を投函して以降、私は周囲の物音に過剰に敏感になった。そんな中で2022年の11月の頭に、突然隣室に住んでいた女性の部屋に男が入っていって、住んでいた女性とその年老いた父のような人が立ち退かされ、近所で受け入れてもらえないか頼み込んでいるような声が聞こえ、無理だったため年老いた父が男に殺害されてポリタンクに詰められたような音を聞いた。驚いて私は、警察に通報した。なぜ音だけでそんな風に妄想したのかといえば、やはりAPEXをヘッドセットで遊ぶようになり急に聴覚野が興奮状態になりつづけていたことが大きいと思う。
やがて、男と女性は真下の101号室に逃れて、そこに若い女性の警官と男の警官が取り調べに入ったような音が聞こえた。女性の警官は男に事情聴取するも、男は英文での注意文言を送ってきた不審な人物がいて自分たちは被害者だと主張し、たしかにその人物を少し調べただけでもかなり不審ではあるということになり、女性の警官は仕方なく男の要望に応えて私のことを徹底的に調べてみることにしたのだと言う風なことを私は思い込んでいた。
隣室からX線や盗聴器で盗聴され、壁からささっているLANケーブルが壁の向こうで傍受されているように思えた。
私はハッキングされているかもしれないと会社に訴え、休職することになった。休職している間にもALSOKに盗聴器などの調査に入ってもらった。
結論として、なにも起こっていないことがわかった。
近所に土建屋があり、そこの若い跡継ぎがどこかから来て、この賃貸アパートの管理人業務をやるようになり、滞納した人を追い出そうとしてトラブルになって、警察と組んで自分たちを通報してきた怪しい人間を調べようとなって盗撮や盗聴をやっているのだという風に妄想していた。たえず声が聞こえて、買ったばかりのPCを分解して「特権ID」と声が呼ぶなにかしらの装置か設定を無効にしなければならないといろいろやっていた。
だが結論としては、そんなものは何もかも妄想であった。たしかに隣の部屋の住民は出て行って、代わりにベトナム人が入ってきた。101号室にもやはりベトナム人が入ってきた。彼らがベトナム語で騒いでいることは、音声が録音できたので幻聴でもなんでもない。けれども、ただ彼らがやかましいだけであって、盗撮も盗聴も殺人もなにもおこってはいないというのが現実だと思った。
それが、2022年末の、幻聴事件である。
そしてちょうど一年後には、やはりまた手紙を書いていた。元カノに手紙を書いていたのである。2021年末はどうだったか?そのときは痔ろうの手術であった。2020年は?そのときに元カノからあなたのやっていることはストーカー行為です、今度家に来たら警察を呼びますと書かれた手紙が来て、絶交されたのであった。
毎年、秋になると、なにかしら恐ろしいことが起きている気がする。