アルコール依存症ではないのかというのは、むかしから言われていたような気がする。そういわれたから二年半ほどやめていたこともあったのだった。
アルコールをやめられないことの苦しみは、やめるべきだと思えるようなほかのやることをみつけられないことの苦しみのような気がする。アルコールをやめなければ何が問題なのかがなかなかわからないというのが苦しみなのだと思う。
実際、アルコールは飲めば飲むほど耐性がついてきて、飲んでいる状態でもシラフのように行動できるようになってしまう。アルコールを飲んでも問題がないのではないかと思うようになってしまう。むしろアルコールを飲んでいない状態でうつのような状態になるので、アルコールを飲んでいないと正常な行動ができなくなってしまいさえする。だからやめられなくなる。
アルコールを飲んでいるときだけ元気な人間というのが、アルコールを飲んでいなくても元気な状態になるように戻った時に、まあある程度、健康な状態にもどれたといえるのではないかなと思う。
なにを言いたかったのかな。まあ、アルコール依存症というのは、自分でアルコール依存の治療が必要だと自覚することはほとんどないんだということを言いたかったきがする。私の場合も、アルコール依存症じゃないかと言われているだけではアルコール外来にはいかなかった。健康診断で肝臓の数値がひっかかっているのに、アルコールをやめれば数値がよくなると言われているのに、結局一年間ずっと再検査にひっかかりつづけて、自分ではアルコールをやめられないことに気がついてはじめて、会社の人も心配しているし、このまま自分で今度こそやれるんですと言っていても、通らない状態になってきたなということに至ってはじめて、こうなったらアルコール外来にいくしかないなとなったのだった。
まあハッキリ言って、自分でやめられると思っていた。自分は意志が強いから大丈夫だと思っていた。けれど、一年経っているので、次こそ本気を出すといっても、もう通らない状態になってアルコール外来にいくことを自分なりに納得した。どうせいくならはじめからいっていればよかった、という風には思わない。自分でなんとかできるだろうということを完全に否定しきれた状態にならなければ、ここに通い続けようという意思は保てないはずだからである。