これは自助グループなのだ。
自助グループとはなんなのかといえば、これはプロが患者を直すということではない。正解があってそれを使って解決するというのではない。断酒には正解がないから、当事者同士で助け合う必要がある。この当事者同士での助け合いのための活動が自助グループなのだと思う。
だから色々な種類の自助グループがある。けれど根幹の部分にあるのは助け合いだと思う。
自分の力だけではどうしようもないから助け合うのだ。専門家が直してくれるわけではないから助け合うのだ。そのときにはどうしても、自分の力で自力でなんとかできないということを認める必要がある。そう思っていない間は助けを求めることなどできないから助け合いなどできない。
自分の力ではなんともできないことを思い知って、助けを必要としていることを自覚して、助けを求めるために自分状態を深く内省する。そして何を変えていくべきかを見つめなおして、まわりの助けを借りながら変えていくべきところを少しずつ変えていく。そうしてよくなっていったなら、その経験を人に伝えて、その人が変わっていく手助けをする。その人の話をよく聞き、その人が変わっていくために必要なことを自分の経験のなかから伝えていく。話を聞くだけでも、もちろんその人の心の重荷を軽減する助けになると思うし、色々な人の話をきいていった結果として、似たような経験を克服した人が誰なのか、誰がその人を助けられそうなのか、教えられるようにもなる。それが自助グループだと思う。
先週の段階では、仲間意識を持つことで、酒を手に取りにくくなるということが本質なのだと思っていた。でもそれはまだ浅い理解だったと思う。それは酒をやめることにはつながるかもしれないが、酒におぼれなければならないような生き方の問題に向き合っていけるようになることを説明できていなかった。