一緒に何かをするのではなく一緒に別々なことをするのが幸せだった

 一緒に別々なことをしているのは幸せだった。

 何かに一生懸命夢中になっているそばで、違う事を一生懸命やるのが幸せだった。お互いのことをそんなに気にせず思い思いに過ごせているときが一番心が安らいだ気がする。

 運動のために一緒にボール遊びをしてみたこともあった。けれど、すぐにつらくなってしまった。

 一緒にゲームを対戦したりしてみたこともあった。けれど、長続きできなかった。

 結局、別々なことに夢中になった。一緒にいて別々なことをやっているのであれば、一緒にいなくてもいいのかもしれなかった。確かにそうなのだろう。けれど、一人で好きなことをしているよりは、一緒に別々なことをやっている人といるほうが、心が安心できていた気がする。