広く浅く、または分散投資

 広く浅く、または分散投資という観点で考えることもできるかもしれない。

 一つのものにどっぷりとハマるということは、依存症のリスクがある。だから、節度を守れと言う話になったときに、全力で楽しみたいのに少しだけでオアズケなのかという物足りなさを感じざるをえなくなる。おそらく大事なのは、食事でも、いろんなものをバランスよく食べることが大事だと言うことと似た観点だと思う。米だけを食っていたら、人は栄養が偏って脚気になる。野菜を何種類食べないといけないとか、必須栄養素をまんべんなくとるようにするとか、魚もたべるようにするなどということがある。おいしいものを食べる、たべたいものをたべるだけではなく、いろいろなものを少量バランスよく食べるようにすることが健康維持のために必要なことなのだとされる。これと同じ考え方が、仕事や趣味、人生そのものにおいても言えるのではないか。

 依存しないようにするという事は、全く食べない事ではないし、少ししか食べないことでもない。一つのものを限界まで食うということをやめるために大事なのは、いろんなものを沢山の種類楽しむということなのではないか。そうすることで、偏食をやめても満腹になれるということではないか。がまんするのではなくて、代わりのもので満たせるということである。物足りなければ、代わりのものの種類を増やせばいいということではないだろうか。

 それは、自分の興味関心や時間を分散投資するということでもある。色んなものを広く浅く楽しむことは、何かの玄人や専門家をめざすことにはならないかもしれないが、他人の評価に依存せず自分が楽しむ上では、それでまったく構わない。一つの趣味を極める事よりも、幅広い話題に興味を持つことができるようにもなり、それは社交性にも活きてくるのではないか。